【こんな症例も治ります シリーズ 323】ウンチの後に、おしりから鮮血がポタポタ垂れるワンちゃんも適切な診断と治療で治します

芽胞菌のイラストです。 毒素が出て下痢や出血を起こす菌です。

参照サイト:

https://bit.ly/2NmSmiY

 

犬 8歳 メス

 

【 突然血便が起こり、ウンチの後もおしりから血がポタポタ垂れる 】とのことで来院されました。

 

■ 普段は1日1回しかウンチをしないのに、症状が起こってからは1日4回、少しずつウンチをするのも気になるとのことでした。

この「ウンチの1回量が減り、回数が増える」という症状は、大腸が原因で起きていると考えられます。

 

■ レントゲンでは、予想通り大腸にガスが見られました。

ウンチを顕微鏡で見る検査では、腸内細菌のバランスが乱れ、「芽胞菌」と呼ばれる細菌が異常に増殖していることがわかりました。

 

■ この「芽胞菌」。 高温や消毒薬に対して耐久性の高い「芽胞」と呼ばれる構造を形作ることからそう呼ばれています。

 

■ 芽胞菌にも様々な種類がありますが、動物さんの腸で増殖しやすいのが、「クロストリジウム」と呼ばれる細菌の仲間です。

 

■ この「クロストリジウム」の仲間は、健康な動物さんの腸にも少量いることがありますが、ストレス・お食事・お薬などの影響により腸内細菌のバランスが乱れると、異常に増殖し、毒素を発して悪さをするようになります。

 

★ こうして血便や下痢が起こるのです。

 

■ この子は、点滴により毒素を流す手助けをした後、この「クロストリジウム」に効く抗生剤と整腸剤を飲んでもらうことにより、すぐに症状が落ち着きました。

症状が落ち着いても一定期間お薬を飲み続けてもらうことにより、悪い細菌をしっかりやっつけ、腸内細菌のバランスを整えました。

 

■ 下痢や血便…治るかもしれないと放っておくと、毒素を発する細菌が更に増殖してしまう恐れがあります。

早めに治療してあげることが大切なのです☆

 

獣医師 田中聖心

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